インプラントの基礎知識

抜けた歯を再生させる唯一の方法

事故であれ治療の段階の抜歯であれ、歯を失ったときの気持ちは絶望的なものです。なぜなら人の永久歯は二度と生え変わらないからです。その喪失感は、経験した人だけしか分からない特別なものです。そして多くの人が願うのは、できるだけ元の歯に近い感触で食べられるようになおしたいということでしょう。

いくつかある選択肢のうち、入れ歯やブリッジでなんとかその場をしのいだとしても、残念ながら時間が経てばトラブルが生じます。歯の喪失とともに歯槽骨や歯根膜が体へ吸収されるからです。時間が経過すればするほど、最初に作った入れ歯が合わなくなるでしょう。またブリッジであれば、両隣接する歯を削り、負担をかけている脇の働かぐらつい
てくるトラブルが起こるでしょう。1本歯が抜けると誰でも遅かれ早かれそうなるものと、あきらめるしかなかった時代も確かにありました。

そこへ現れたのがインプラント(人工歯根)です。インプラントとは人工の歯根を歯槽骨に埋め込み、しっかりと結合させた後、その上部に人工の歯を取り付ける治療法です。

今やスタンダードな治療に

歯根にあたるインプラント体は、チタンという金属でできています。スウェーデンの解剖学者ブローネマルク博士が、実験中に偶然チタンのもつ骨との強固な結合性を発見しました。それがそもそもの始まりでした。1950年代のことです。

そのチタンの特性を、オッセオ(骨からなる)と、インテグレーション(一体化)というふたつの言葉をもとに、博士はオッセオインテグレーションと表現しました。

このオッセオインテグレーションが公式に認められたのは1979年のことです。以降、この特質を利用して歯科用はもとより多くの医療分野で人工関節やネジ、人工耳小骨、頭蓋骨の代替用など、広く使われるようになりました。多くの分野で、チタンは生体となじみやすく拒絶反応を起こさないことが認められ利用されているのです。

現在インプラントの10年経過後の定着串は96%(ノーベルバイオケア社製インプラント)と高い数字を誇っています。歯科先進国の欧米ではすでにインプラントはスタンダードな治療法で、大学では入れ歯の学問は少なくなりインプラントを中心とした教育が主に行われています。その結果、多くの人が満足度の高い生活を味わっています。日本でも確実に広がっています。


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